2015年10月31日土曜日

秋の旧居留地を散策 2015/10/11


 旧居留地までは、JR元町駅東口から徒歩5分の大丸神戸店を目印に、東はフラワーロード、南は海岸通りで区切られたエリアです。神戸の旧居留地は、安政五カ国条約に基づき、1868年1月1日から1899年7月16日までの間、神戸村に設けられた外国人居留地です。貿易の拠点、西洋文化の入り口として栄えました。
 街並みは、道路が整然と東西南北に走り、街路樹・公園・街灯や下水道が計画的に整備され「東洋一の美しい居留地」と評価されていたそうです。今でも、歩いてその街並みを眺めるだけでも楽しめる街でした。
 次は建物を見てみましょう。


神戸大丸


 まずは居留地にある有名なお店と言えばこの大丸神戸店ではないでしょうか。
きっと訪れたことがある人も多いはず…。
 1987年(昭和63年)に神戸店周辺店舗1号店として開店しました。阪神淡路大震災で本館が焼失しましたが、旧居留地にふさわしいデザインの建物というコンセプトで再建されました。
 大丸神戸店の近くは、休日ということで多くの人で賑わっていました。その中でもカップルがいっぱい。外観はレトロ風でも10階建とても大きなビルです。



神戸朝日ホール


 神戸証券取引所として建築され、戦後、映画館があるオフィスビルになった神戸朝日会館。1994年にその外観を再現し、内装は新しくなった神戸朝日ホールがスタートしました。11月には、オカリナの発表会や、神戸市民生協創立60周年記念講演会などが催される予定となっています。イベントのスケジュールは、公式のホームページに載っているのでぜひチェックしてみてくださいね。




新クレセントビル


 1922年にアメリカ人建築士のモーガンによって建てられたクレセントビルは、神戸における初めての鉄筋コンクリートビル。古い居留地の面影を近代的な街並みに変えるきっかけとなった建物ということです。新ビルは、クレセントビルの外観イメージを残しながらも全体的にモダンな雰囲気となっています。 ポイントは、アジサイのステンドグラス。大きなステンドグラスを見る機会はそんなにないことだと思うので、ぜひ見てほしい。




旧居留地十五番館


 石造りの重厚な建物の中にひとつ2階建の洋館が建っていました。1881年ごろに建築され、翌年からアメリカ領事館として使用された建物。旧居留地で唯一現存する旧居留地時代の商館で、重要文化財にも指定されています。阪神・淡路大震災で全壊してしまいましたが、1998年に復元されました。

この石柱はなんだろう?

 レトロなビル、高級ブランドのブティック…どこか外国の街角を歩いているような不思議な感覚にとらわれ歩いていると、どこかの時代をこっそり主張している石柱を発見。史跡を示すものにしては洋数字の「68」だし。近寄ってみると….


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ちょっと一休み
Café kukka



ガトーショコラのセットメニュー(税込・842円)。
ガトーショコラとイチゴのジャムの相性がとてもGood! もう一度来たいと思わせるお店でした。
神戸市中央区元町通5-3-17
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 旧居留地はただオシャレな街だと思っていましたが、ただの街とは違うことが分かりました。
 居留地として使われていた頃、異国の雰囲気を守りながらよりよい街を作っていこうとする思いがありました。明石町筋の歩道を広げるだけでなく、段差を低くすることや花のあふれる街をつくろうとしていることが分かりました。ここは観光にもショッピングにも楽しい街です。今回、訪れたところは旧居留地のごく一部。もっと深く知ってみたいと思わせる魅力のある街です。

取材 入江遥

ハッピードリームサーカス レポート 2015/10/10


2015年10月10日から12月23日まで開催されるハッピードリームサーカス神戸公演の初日に潜入しました。
 

ハッピードリームサーカスは大阪を拠点としたサーカス団で、西日本を中心に、海外でも行っています。今回の公演は神戸港開港150年・神戸空港開港10周年プレイベント として、神戸空港旅客ターミナル・ポートライナー神戸空港前にある大テント特設ステージで行われます。以下、実況中継風にレポートします。「!」マークを多用していますが、それだけ「びっくりポン!」だったということでご容赦ください。




ハッピードリームサーカスによるハッピードリームサーカス神戸公演が始まった!ポートライナー神戸空港駅をおりると、遠目で見てもすぐにわかる場所に、それはあった。いかにもサーカス!といった雰囲気のある大テント特設ステージだ!会場につくと、楽しそうな雰囲気を感じさせる音楽と、ソフトクリームやフライドポテトなどの出店でにぎわっている。大テント特設ステージの中に入ると、中は暗く、中央にステージがありその周りを椅子で囲むというような造りであった!



椅子に座ってサーカスの始まりを待っていると、
MCの声とともに音楽が流れだした!
サーカスのオープニングアクトの始まりだ!
オープニングは、神戸で活動するキッズダンサーグループがノリノリな音楽にのせて元気いっぱいのダンスを披露してくれた!
急に流れ出した音楽と、ピカピカ光る照明に会場の視線は一気にステージの方に!
これからサーカスが始まるのだ!と言わんばかりの素晴らしい演技でオープニングにぴったりの演技であった!

華麗なオープニングが終わるとハッピードリームサーカス神戸公演初日ということで、司会者の掛け声とともにテープカットが行われた。ハッピードリームサーカスの約二ヶ月にわたる神戸公演が開幕となった!
そう、ついにここからハッピードリームサーカスの
パフォーマンスがはじまるのだ!!!



パフォーマンスが始まる!!

軽快な音楽と始まりを告げるMCの声でハッピードリームサーカスの演技が始まった。
団員全員がステージの上でそれぞれに声をあげて我が!我が!!とアピールしているようだ!
1人の団員のファイアパフォーマンスによって夏場によく聞くベンチャーズの音楽が流れだし、観客のテンションも上がり会場の雰囲気も上がる!
するとトランポリンを使った演技がはじまった!団員が、トランポリンをつかい飛んだり跳ねたりポーズを決めたり!
会場の視線は上に向いたり下に向いたり!首を動かすのが大変大変!!しかしいきなりのトランポリン演技のクオリティーの高さに会場は大盛り上がりだ!

摩訶不思議!シルクファンタジー
興奮冷めやらぬまま、幻想的な音楽とともに男女2人が、シルクのカーテンに身を隠しながらでてきた!これから始まる演技は、このサーカスだけのシルクファンタジーという題目の演技だ。
出てきたときは全くどんな演技をするか想像がつかなかったが、すぐにシルクファンタジーの意味が分かった。男女はシルクを自分の体に巻き付けまるで二人だけで浮いているかのように浮遊するのだ!!テレビでも見たことのない演技に会場のみんなは鳩が豆鉄砲を食ったようだ!この感動は実際に見に来て体験してほしいものだ!あなたも見に来たらわかるだろう。シルクファンタジーの意味が!


 動くライオン人形の正体は・・・?

シルクファンタジーの演技と音楽の幻想的な雰囲気に包まれた会場に、
つづいて入ってきたのは、1人のピエロと1つのライオンの人形である。
サーカスで人形・・・?と思うのではないだろうか。しかしこのライオンの人形。
ただのライオンの人形ではないのだ。ピエロが大きなねじまきを取り出し、
人形に取り付けてねじをギーコ、ギーコ、ギーコ、と回していくと・・・・・・・・
なんと!!ライオンの人形がひとりでにステージのふちを歩き回るではないか!!
ふちを歩き終えると、ライオンの人形はねじ動力の力がなくなりぽてっと倒れる。
それをピエロが抱きかかえ、またねじを回す。
ギーコ、ギーコ、ギーコ、ギーコ、、、。すると、また動き回るではないか!!
今思い返せば、このサーカスで一番の笑いが起こっていたのはこの演技かもしれない、と思わせるほどにこの演技はかなり面白かった!
 気になるライオン人形の正体・・・。



サーカスの定番!回せ!落とすな!光るジャグリング!

つづいて、サーカスでよくみるジャグリングがはじまった!!
サーカスと言えば、頭の中に浮かんでくるものの一つに、ジャグリングがあるのではないだろうか?
しかし、ハッピードリームサーカスのジャグリングは、あなたが今頭の中で浮かべているジャグリングの像と少しちがうのだ。

それは!!!!
ジャグリングが光る!光る!回して光る!!!!
ジャグリングが始まって、暗転するステージ!ジャグリングとは、回しているものを見るのに、なぜ暗転!と思ったが、私のその考えが甘かった
ジャグリングの道具が光るのだ!!まるで動くイルミネーションのように!
サーカスでこんなものを見られると思ってなかったので私も感激でした。
もちろんきれいなだけではなく、パフォーマンスも素晴らしく、見るものを魅了していた!素晴らしい演技であった!



日本初上陸!手に汗握るバイク&カースタント!
会場に設置されている逆円柱状の筒のようなものの中にバイクに乗ったまま人がその筒に入ってエンジンをかける。まさか、と思ったその瞬間、その設置された筒のようなものの中を走る!!!さぞ、当たり前のように走る!壁に対してほぼ垂直になりながら走るバイクに会場は息を飲んだ
会場のバイクスタントに対する興味とムードは一気に高まっていく!
会場は、エンジン音とクラクションの爆音に包まれる!
ついには、バイクで垂直に走りながら手放し運転!!!
さらに演技は続き、バイクだけではなくなんと!!!車も一緒になって
その逆円柱状の筒の中を走りだすではないか!!互いがぶつかりそうになるもぶつからない!見ているだけで手に汗握る緊張感のある演技であった!


日本に一つしかない大車輪を使ったスリルたっぷりの大車輪演技!!
高さ10m!!!
日本に一つしかない、大車輪を使ったパフォーマンスがはじまった!
日本に一つしかないだけあって、大車輪が舞台に設置されたのを見るだけで、迫力がすごく伝わってきた!
1人が大車輪の車輪の中ではなく外の上側の方に立ち、大車輪が回る中縄跳びをしたり、ジャンプをしてポーズを決めたりと一歩間違えれば大きなけがに繋がりそうな危ないもで、大車輪の演技は、迫力もすごいが人間の可能性を感じさせてくれるパフォーマンスだった。

ハラハラドキドキ!見せつけるバランス感覚!!

つづいてバランス感覚が試される演技が始まった!
いったいどのようなものかというと・・・
それは、写真を見てもらえばわかるだろう!!!


 これだ!!!足場の悪いとこに乗ってバランス感覚だけで自立する!
最初一本ずつだけだった筒が、次は二本になり、難易度が徐々に上がっていった!
見ているだけで、蒼ざめるようなかなり緊張感が感じられるパフォーマンスだ!
難易度をあげて成功するたびに観客の安堵したような声と拍手に包まれていた!

ハッピードリームサーカス最後の演技

 ついに、ハッピードリームサーカスの最後の演技だ
最後の演技は、何といってもやはりこれだろう!!!!
空中ブランコだ!!!!!!
そしてこの最後の演技を担当したのは、世界からの評価も高い、空中ブランコのチーム!ホワイトコーヒーのメンバーだ!

 あなたもテレビなどのメディアで見たり聞いたりしたことはあるだろう空中ブランコ。
私もテレビで見たことはあったが、実際目の当たりにすると・・・
その迫力はテレビとは比べ物にならなかった!!!
テレビだけで空中ブランコの存在をとどめておくのはもったいないほどに!
実際見ると、その圧巻のパフォーマンスに声を上げずにはいられなくなる!
なんといってもすごかったのは、最後の大技デンジャークロスだ!!
間違いなく今回の公演で一番の拍手と盛り上がりを見せたといっても過言ではない!
是非、この会場に駆けつけて世界クラスの空中ブランコの演技を見ていただきたい!
見たらきっと強く脳裏に刻まれるでしょう!


そしてグランドフィナーレ

空中ブランコが終わると、サーカスの団員全員が出てきて、それぞれがまた、声を上げる!サーカスの終わり、グランドフィナーレだ!

今回、私は初めてサーカスと言うものを間近で見て
サーカスは見ているだけでこんなにも楽しくて心が跳ね上がるような気分になって
サーカスは見ているだけでこんなにも手に汗握るほどの緊張感を感じられるのかと
おもった。
サーカスを見ればきっと人間の可能性に触れられるだろう。
サーカスを見ればきっと希望を感じられるだろう。
だから、このハッピードリームサーカスが神戸に来ているときに
是非、遊びに行ってみてはいかがでしょうか!
公演は12月23日まで行われています!!
感動と興奮のステージを是非!あなたの目で!!!

ハッピードリームサーカス
http://www.dreamcircus.jp/top.html

取材:坂本佳世

2015年10月25日日曜日

神戸街中探訪シリーズその3 和田岬特集 その2「北欧ビンテージ家具・雑貨・カフェ 専門店"北の椅子と"」2015/10/13



 和田岬特集!2つ目は、北欧の1960年代のビンテージ家具・雑貨・カフェを取り扱う家具屋さん「北の椅子と」!
 和田岬入ってすぐ。真横をJR和田岬線が通る場所に、赤い倉庫が目印!「北の椅子と」は建っています。木製のまごころが伝わってくる看板が目印!お店に入った途端、まさにそこは森の中。北欧デンマークで買い付けた商品が並び、木のぬくもりに溢れた空間が広がっています。
 60年代のデンマーク家具を扱う理由は、日本の狭い居住空間にピッタリで、現代の工業製品と違って、職人さんの技が見え隠れするからということだそうです。確かに工業化が徹底された現代の家具とは違う手作り感が伝わってきました。


観て触れて味わえるカフェ!
そして2階には、実際に店内販売されている家具や雑貨に触れながら、飲食が楽しめるカフェがあるのです! 個性的な照明が店内を照らす中、ふかふかのソファーに座れば、もうあなたは逃げられない。
 落ち着きと安らぎの空間、すみっこには子どもが遊べるスペースも完備されており、親子連れでも安心してお茶を楽しめる場所になっています。





カフェでほっこり
 

店内パネルに、おすすめと書いてあったプリンを食べてみました。


 食べる前にスプーンに注目!よぉぉぉぉく見てください。

 ワニのカタチ!たったひとつのスプーンにおいてもなんだか胸躍る!使われている食器も店内販売されているもの。ではプリンを食べてみましょう。口に入れたとたん、まず牛乳の風味に包まれ、そのあとに卵が駆け巡る。味のバランスが絶妙。カラメルソースをかけると、甘みの中にほんのりと苦みが混ざり、スプーンが進む進む!あっという間に食べきってしまいました。 続いて、季節の飲み物というものがあったので、その中の“新ショウガ”をソーダでいただきました。出てきたコップの底に本物のショウガが!ソーダで飲んでみたので、もちろんシュワシュワなのですが、ほんのりとショウガの味が…。ショウガが口の中でキュッとする感覚は、何杯でも行けちゃいそうでした。



木材の床や壁が落ち着きを演出し、倉庫のなかということを忘れてしまう空間が広がっていました。
 
 オーナーの服部さんは“長く暮らしと寄り添う家具”を提供できればいいとおっしゃっていました。丈夫そうでオシャレな「北の椅子と」の家具、多少お値段は張るのですがお金ができたらじっくり選んで買いたいな。

「北の椅子と」
神戸市兵庫区材木町1-2 TEL.078-203-4251
http://kitanoisu-to.com/

取材 西村成也


2015年10月24日土曜日

神戸街中探訪シリーズその2 和田岬特集 その1「和田岬砲台」2015/10/8

  今回の記事は、神戸和田岬特集!三菱重工の神戸造船所の敷地内にある「和田岬砲台」と、和田岬にお店を構える「北の椅子と」さんを取材してきました!

そもそも和田岬ってどこ?どんなところ?
 兵庫県神戸市兵庫区に位置する岬。1895年に神戸初の水族館「和楽園水族館」が建てられた場所でもある。明治時代中期以降に、先端部に三菱造船や川崎造船所等の重工業が進出して工業地域として発展。現在では、三菱重工業神戸造船所や三菱電機、川崎重工業等の工場が建ち並んでいる。ノエビアスタジアム神戸のある場所であり、JR西日本の和田岬線により兵庫駅とつながっており、地下鉄神戸海岸線通っている。


和田岬砲台(三菱重工 神戸造船所)
和田岬の奥、三菱重工神戸工場になんと明治時代から現存するという歴史的建造物「和田岬砲台」を取材してきました!
台外観写真は他の工場内が写る可能性があるのでNGでした…。外観はぜひ現地で!


和田岬砲台って何?
 神戸造船所構内には、江戸末期の1864年(元治元年)に建設された「和田岬砲台」が現存しています。 当時、外国艦船の来航に伴い、沿岸を防備する必要に迫られ、徳川幕府により和田岬・川崎(湊川)・西宮・今津の各所に同型の砲台が建設されました。設計は勝海舟。完成には、約1年半の月日と2万5千両の費用を要しました。湊川・今津の砲台はすでに取り壊され、西宮の砲台も内部が焼失し、石郭のみとなり、現在、和田岬砲台のみが当時のままの面影を残しており、 1921年(大正10年)3月3日には兵庫県下における史跡第1号に指定されています。【三菱重工HP内 展示施設 和田岬砲台より引用】


はぇ~。そんな昔のものが今も残っているのかぁ。という第一印象と“砲台”というワードに少しロマンを感じたので……

内部からの写真です!

 添乗員さん同行で、玄関口からバスで移動すること数分。立ち並ぶ工場の建物の奥に、どっしりとした石造りの塔が!
実は和田岬砲台、内部の木造部分の腐敗が進んでいたため、平成21年から4年の歳月をかけて修理工事を行ったそう。しかし、外観の石造りは解体無しで補修を少しする程度だったそうです。
外観の石は、御影石で出来ており、1.2mの厚さのものを、24個×10段で構成されており、総重量は石だけで3000tにもなる。明治時代のものであることをまったく感じさせないほどの美しさ。現代の耐震基準もクリアしているほど頑丈だそうで、さすが要塞。


つづいて、砲台内部へLet’s GO!
がっしりとした外観とは裏腹に、中は木のぬくもり溢れる空間。とはいったものの、まさしく大黒柱と言わんばかりに48cmもあるケヤキの木で出来た“四天柱”と呼ばれる柱が、四本真ん中に立っているので、安心感をも感じさせてくれました。中心の井戸は砲台を打った後に砲身を冷却するための水を汲むために設置されたもので、周りには、排水用の通路も確保されていた。


中心から上を見上げると、木の柱が放射状に並べられている。これは、当時の西洋の建築方法を真似たものではないかと推測され、ナポレオンタワーが元なのでは?と噂されています。

 奥に進むと、当時弾薬置き場とされていた棚が…!貼り付けてある「の」「お」「し」などのシールは建設時そのままのものだそうです。なんだか急に明治時代にタイムスリップしたような気分になります!

 柱の上部に打ち付けてあるノミと釘は、建設時に使われたものを再利用して使用しているそうです。鉄のサビ具合に時代を感じ、その釘の大きさに、ならではのロマンを感じました……
 ということで、これほどしっかりと作られた和田岬砲台ですが、実は一度も砲身が設置されることはありませんでした。撤去も考えられましたが、祝砲台として存続することとなり、今に至ります。

 和田岬砲台を見学してみて、和のにおいの中に洋の技術が含まれていて、文明開化の日本を象徴するような建物だなぁと感じました。内部の構造も外観の強さも、当時の日本人の情熱が凝縮されているようで、心揺さぶられました。
 この記事を見て、是非行きたい!と思ったあなた!見学は毎月第2木曜日に開催しています!詳細は三菱重工HP→展示施設和田岬砲台のページをご覧下さい!電話受付での申し込みになるので、ページから日程を確認して応募しよう!



取材 西村成也








2015年10月23日金曜日

「ばら積運搬船GEIYO-K」進水式見学会 2015/10/10



 10月10日、マグロの日。川崎重工株式会社の造船工場で行われた「ばら積運搬船GEIYO-K」の進水式見学会へ行ってきました。最初は授業の取材と言うことだったのですがこれまで進水式などに行った経験がなかった僕は内心とてもわくわく。前日の夜はなかなか寝付けませんでした!




朝8:30、神戸駅を出て、ひたすら南西へ。



 駅前では大きなキリンのオブジェがお出迎えしてくれました!
ここから高速道路の下をくぐり、さらに南下。どんどん人が集まってついに行列ができあがりました。人の流れに乗り、たどり着いたのは川崎重工造船工場。入口のテントでポストカードを頂きます。

 今回進水するGEIYO-K。全長は180mを越え、最新の省エネディーゼル機関を搭載しています。その積載量は55000トン!大型トラック2200台分ですよ!ここまでくるともはや想像も出来ません。こんな大きなものが動くなんて!海の上に浮くなんて!浮力ってバカに出ません! 
 ちなみにゲイヨーKは「ばら積み運搬船」ですが、「ばら積み」とは石油とか石灰みたいなバラバラの資材を梱包せず、そのまま移送するという意味です。

 地元の人もたくさん来ていて、にぎやかなムードの中、刻一刻と進水の時は迫ります......。

進水を待つ熱気ムンムンの群衆 

制限ロープが外され、それまですし詰め状態だった観客が一斉に港の先端へ!なんとか最前列へ食い込めたのは本当に幸運でした!船を間近で見られる位置で、興奮を抑えきれずさらに待ちます。周囲は人が多く、熱気ムンムン。

そして迎えた10:00!しかし、船に動きは見られません。あれ???
 周囲の人々も、スタッフさんも忙しなくなってきました。どうやら航路に一般の船が迷い込んだみたいです。ざわつく場内。「パンパカパ〜ン」そこへ突如流れ始めたのは明るく勇猛なマーチ曲!マーチと共にぞくぞくと工員さんたちが船の下に潜り込んで行きます。

10:15 船が猛烈な勢いで動き出す



大きな船体が目の前を横切っていきます!
 たくさんの紙テープ、風船、そして観客に見守られながらゲイヨーKは進水しました。


 周囲は未だに人の海。入り口へ戻るのは骨が折れる


 学生や家族連れ、親子などなど、観客の皆さん、それぞれいろんな思いを胸に帰路につきます。そして艦首のあったあたりを歩いている時、後ろから大きな歓声が!

 こちらに雄姿を見せ付けるかのように港の入り口を横断するゲイヨーKの姿が!遠く離れてもその大きさに圧倒されます。周囲の人々も満足げ。こうして僕の人生初・進水式は感動のうちに終了!
 再び人の流れに流されて神戸駅へとたどり着いた僕は、余韻も覚めやらぬまま帰途に着いた僕はどのようにこの感動と衝撃を記事にしようか考えています。 


取材 中村 隆之