2017年2月6日月曜日

黄色のバナナはどこで生まれるのか


「神戸開港150年記念事業のパートナー企業」である株式会社上組におじゃましていろいろなお話をお聞きしました。その中から、特に印象に残ったバナナについてレポートします。


 日本で売られているバナナのほとんどは輸入品。原産地から私たちの食卓に並ぶまで鮮度が保たれるのはなぜでしょうか。それは、「コールドチェーン」というものが開発されたからです。コールドチェーンとは、「低温物流」。つまり、冷凍・冷蔵によって低温を保ちつつ、生鮮食料品を生産者から消費者まで一貫して流通させるしくみのことです。

別室へ運ぶ際の通路も外気と遮断されている。

 神戸の港に荷揚げされるバナナのほとんどを取り扱っている上組は、「コールドチェーン」を構築し、バナナが生産地から運ばれて店頭に並ぶまで一定に温度を保っています。一定の温度で運ばれるため、バナナにストレスを与えることなく、新鮮な美味しい状態を長く保つことができるのです。
 生産地の港で保冷船の保冷庫に積み込まれたバナナは、13〜14℃に保たれたまま数週間かけて神戸港まで運ばれます。

 
 

 今回は、甲子園球場(約38,500㎡)以上の広さ(48,095㎡)もあるどデカい倉庫を見学させていただきました。そこに保管されているバナナを見ると、どれもこれも食べられないような青い色をしたバナナばかりがありました。
日本の法律によってバナナは、青い状態でしか輸入してはいけないと規制があるからです。輸入された青々としたバナナは室(むろ)と呼ばれる温度・湿度などが管理された熟成室で、追熟され、はじめて、おなじみの黄色いバナナに変身するのでした。


どこか外国のバナナの木にたわわに黄色いバナナが実っていて。それを収穫して船積みして運んでくるのではないのです。バナナはいろいろな手間をかけて私たちが愛する美味しいバナナに熟成する。そういう技術や設備が私たち消費者の食生活を支えているということがわかりました。

 



 最後に、「神戸開港150年を機に、これからの神戸について」お伺いしました。
 神戸港の開港と共に神戸に生まれ、上組は日本の港と共に成長してきました。
 1995年の阪神・淡路大震災の影響もあり、1980年当時、世界の港湾別コンテナ取扱量で神戸港は世界3位だったのが急落。東アジア最大のハブ港として栄えていた神戸港でしたが、震災のダメージもあって神戸港の代わりに、釜山港が日本の荷物の積み替えを行うハブ港となってしまい、今では新興国の台頭もあり、アジアのハブ港は上海やシンガポール、香港、釜山となってしましました。
 荷物が集まらないと港は繁栄しません。神戸は、港と共に繁栄してきた街ですから、
企業理念にもあるように、常に時代の風を読み、変化する社会の要請に即応しながら、一歩先のテーマに取組み、企業価値の向上と、経営の安定に努め、これからも神戸を支えられるように頑張りたいとおっしゃっていました。



上組の皆さんは多くの質問にとても詳しく、丁寧に回答してくださいました。
本当にありがとうございました。


取材協力:株式会社上組